研究室紹介 Lab Introduction
 わが国ではコンテント制作に関する研究分野が確立されていないため、学術的体系を整理する総合的かつ多角的なコンテント研究を行いたいと考えている。個人の私的な表現から、商用エンターテイメント、そして国家安全保障の情報戦略まで、コンテントの守備範囲は極めて広い。コンテントというとマスコミ研究の系譜から、受け手と送り手を二分し、常に対立する図式で分析することが多かったが、技術革新によって、これまで受け手として分類されていた者も、送り手の機能を保持できるようになっている。そのため、すべての人が表現者としての特性を増大させるため、表現者の立場からの研究を目指している。特に、コンテントの制作過程から流通、鑑賞のすべてをデジタル技術で行う総合的な制作システムの研究を集中的に行うとともに、その技術の応用研究を行うために定常的に実際の制作プロジェクトと協力関係を結びたいと考えている。研究成果を論文などで発表するだけでなく、実際の作品に使ってもらうことによって、作品という形式でも発表していくことにしている。また、わが国のプロジェクトだけでなく、海外のプロジェクトも対象にする予定であるし、この分野の研究が遅れていたこともあって、海外の研究機関とも連携し、共同研究が行える体制をとりたいと思っている。2003年には『セル・アニメーションの制作工程の記録』を制作したが、デジタル化で消えていくコンテント制作の手法を映像を残す作業も続けていきたいと考えている。